建設会社で働く大腸がん患者さんの両立支援の事例

2022.12.19

建設会社の人事担当者

問題:ストマ(人工肛門)処理、トイレ対応がネックになると考えました。オストメイトトイレは当社にはなく、ストマ処理やトラブルの想像がつきませんでした。
解決:幸い通常トイレでも対応可能とのことだったので、トイレの近くに作業場を配置することで本人の負担を軽減できました。

人事担当者
大腸がん患者さん

大腸がん患者さん

どういう形で勤務を続けていくか心配でしたが、会社と細かい点まで共有でき、できうる配慮をして頂けたため、大変心強く感じました。主治医の先生からの意見も後押ししてくださいました。

45歳男性、総社員数45名の建設会社で建設の事業計画・施工管理のとりまとめを行う部署に勤務。現場での高所作業あり。腹痛で救急搬送されたところ、大腸癌の穿孔による腹膜炎が判明。緊急手術を受けた。退院後stageⅣ大腸癌に対して化学療法を行う予定。手術後の体調も落ち着き、職場に復帰の相談に行った。

人事担当者は治療サポートのホームページを参照し、仕事内容と症状から配慮事項を検討した。男性は主治医から車の運転はしばらく控えるように言われたこと、脱毛、手足のしびれ、抗癌剤投与後のだるさ、ストーマの処理が心配であること、化学療法のため3日間連続の通院が必要になることを伝えた。仕事内容はデスクワーク中心で9時~17時である。休憩60分、現場に出る際は早番遅番あり。大腸がんになる前は月50時間程度の残業があった。力仕事は特になし。

上記から人事担当者は現在の業務を継続しつつ、残業は制限すること、化学療法のための通院時は時間休やフレックスタイムの使用、オストメイト使用を考慮してトイレにアクセスしやすい場所での作業の推奨、体調不良時のバックヤードの使用を配慮事項として挙げた。

男性は作成された書類を主治医に提出し、主治医は書類を基に意見書を作成した。